ガイドライン

EBMの手法による
周産期ドメスティック・バイオレンスの支援ガイドライン

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第7章 推奨と解説


VIII フォローアップ計画と記録

2.記録

CQ 28: DV被害記録の管理に関しては,どのようなことに注意すべきか?
推奨度A 女性から話されたことは,女性に了承を得て記載する。記録の保管に関しては,慎重に取り扱い,本人以外には開示しない。加害者や家族への開示はいかなる場合も行わない。なお,これらの記録の管理については,関係医療者へ十分周知しておく。


解 説
診療録(カルテ)および看護記録に,女性のDVに関する情報を記載しておくことは,将来女性が法的な手段をとるときに役立つ。精神的な訴えや症状(不眠やうつ症状など)を記録しておくことも重要である。スクリーニングに使用した用紙は,記録の中に入れておくとよい。女性から夫・パートナーからの暴力の実際について話されたことは,女性に了承をとってから記載する。ただし,記録の保管に関しては,慎重に取り扱う。特に加害者や家族への開示は,いかなる場合もなされるべきではない。このような記録の管理については,関係医療者へ十分周知しておくべきである。以下にSOAPを用いての記載例を示す。

   S: 「12月23日19時頃,夫が家に帰宅して食事の仕度ができていないことに腹をたて,頭をたたいたり,おなかをけったりしました。今は,上の子がいるので,家に帰りたい。」
   O: 妊娠32週,5cm×5cmの出血斑が右の上肢にあり。性器出血,腹緊なし。
   A: 腹部をけられたということだが,現在切迫早産の症状はない。再度,暴力をふるわれる可能性は高い。
   P: セイフティ・プランをたてる。リソースカードを渡し,危険が予知されたら,すぐに病院に来るよう勧める。

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