ガイドライン

EBMの手法による
周産期ドメスティック・バイオレンスの支援ガイドライン

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第7章 推奨と解説


VII 女性に有用な社会資源に関する情報提供

1.情報提供の必要性

CQ 25: DV被害女性への支援に関する情報提供と,社会資源利用のための支援は必要か?
推奨度A 支援に関する情報提供をはじめ,女性が社会資源を有効に利用するための支援を行う。
*社会資源に関する情報は,資料8を参照のこと

解 説
女性が利用できる社会資源に関する情報提供は,重要なケアのひとつである。
先にも述べたが,女性の孤立と社会資源アクセスの障壁は,DVの特徴的問題である。女性が自分に有用な情報を入手することは,利用できる選択肢が増え,女性の健康の向上や暴力の再発予防につながる。
妊婦に対する夫からの身体的暴力と脅しを減らすための「リソースカード」,「カウンセリング」,「カウンセリングと助言者による妊婦のサポート」の効果を比較したRCTでは,すべての介入で暴力の減少が認められたことが報告されている。しかし,どの介入がより有効かという検討においては,6,12,18カ月後の暴力を測定した結果,3つの介入での違いはなかったことが示されている(McFarlane et al., 2000レベル2b)。
被害女性への擁護プログラム,つまり女性が社会資源の利用を高めるために,擁護者が1対1で支援するプログラムは,女性の健康および暴力の防止に有効であることがわかっている。コミュニティを基盤にした研究の中で,女性の擁護プログラムの効果について,シェルター退所後の女性を対象としたRCTがある。その結果,介入群のほうが2年後の身体的暴力が有意に減少し(p=0.03),またプログラム直後には,うつ症状が有意に減少し,QOLやソーシャルサポートの利用頻度が有意に上昇したことが報告されている(Sullivan et al., 1999レベル1b)。救急外来における前後比較研究においても,被害女性の擁護プログラムは,シェルターやカウンセリングの利用を高めることが示されている(Muelleman et al., 1999レベル4)。


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