ガイドライン

EBMの手法による
周産期ドメスティック・バイオレンスの支援ガイドライン

書誌情報
 
第7章 推奨と解説


VI セイフティ・プランをたてる

2.セイフティ・プランをたてる

CQ 24: DV被害女性の安全確保のためのセイフティ・プランへの支援は必要か?
推奨度A 女性の安全を確保するための,セイフティ・プランをたてる支援をする。


解 説
女性の危険性が高い低いにかかわらず,女性の危険性を査定した後,女性と共にセイフティ・プランをたてることが勧められる。セイフティ・プランとは,加害者である夫・パートナーから暴力をふるわれそうになったとき,女性が自分の安全を守るための行動を迅速にとれるように,プランをたて,準備しておくことである。
医療者が女性といっしょにセイフティ・プランをたてるという介入は,女性の安全を守るための準備を促し,さらなる暴力を予防できることが報告されている。Parkerら(1999レベル2c)は,妊娠期の被害女性へのカウンセリングやその他の選択肢を提示し,セイフティ・プランをたてる手助けをするという介入について,身体的および非身体的暴力,セイフティ・プランの実行への効果を検討した結果,介入群のほうが6カ月後および12カ月後の暴力が有意に減少したことを報告している(p=0.007)。さらに,DV被害女性と支援者が電話を介してセイフティ・プランをいっしょにたてるという介入の効果をRCTにて検討した結果,介入群のほうが有意に安全のための行動がとれることが示されている(McFarlane et al., 2002レベル1b)。また,McFarlaneら(1998レベル4)は,妊娠期にある被害女性に対し健診を利用して3回のセッション(教育,擁護,連携を目的としたセッション)で,安全に向けての行動に関する情報を提供することによって,安全行動の実施が介入前後で高まったことを報告している。

以下にセイフティ・プランの例を示す。
1)危険な場所から離れることを第一に考える。
2)逃げるときに持っていく物を準備し,ひとまとめにしておく。

   準備しておく物の例: お金(預金通帳,キャッシュ・カードなどを含む)
  保険証,運転免許証
  印鑑
  自宅の鍵
  着替え
3)家の中にある凶器を隠しておく。
4)危険な状態になったときに,逃げる経路を考えておく。
5)避難場所を確保しておく(病院は,避難する場所としてひとつの選択肢になり得る)。



書誌情報