ガイドライン

EBMの手法による
周産期ドメスティック・バイオレンスの支援ガイドライン

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第7章 推奨と解説


I 支援環境を整える

1.医療施設としての環境

CQ 2: DV被害者支援のためには,医療施設としての環境整備が必要か?
推奨度C DV被害にあっている女性が,医療サービスの対応の中で,支援を受けやすいと感じられるような環境を整える。


解 説
医療機関を受診する女性も,また,さまざまな障壁を感じている(Ronnberg et al., 2000レベル5)。例えば医療スタッフとのネガティブな体験(拒否,突き放し,屈辱,孤独,理解が得られない),夫からの報復という不安,暴力による心理的影響,ヘルスケア・システムの構造的限界(経済的保障の欠如),プライバシーが守られないような外来や病棟の構造,などがある。これら医療現場での人的・物理的環境が女性に発言しにくい状況を生み出していることもある。
そこで,Janssenらは(2002レベル4),“Let’s Talk”という温かく迎え入れるようなポスター(資料7)を待合室の目に付きやすいところに貼っておいたり,その概念をもとにしたポケット・ガイド(アセスメントの導入,スクリーニングのための質問,適切な対応,セイフティ・プラン,紹介の仕方)を作成したり,女性が一人きりになることができるトイレに<ウーマン・リソースカード>というカードを置いて,自由に取ることができるようにして,女性が感じるバリアを取り除くような工夫をしている。また,外国人に対しては,母国語で話ができるようにしたり,スクリーニングツールも母国語に訳したりして,女性を中心にした環境整備を行っている。

 

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