ガイドライン

(旧版)科学的根拠に基づく急性胆管炎・胆嚢炎の診療ガイドライン

書誌情報
 
第XIII章 特殊な胆道炎


2. 高齢者の胆道炎
Q109. 高齢者の急性胆管炎に対する治療法は?

高齢者の中等症以上の急性胆管炎に対する胆道ドレナージ(推奨度A)

高齢者の急性胆管炎はその解剖学的な特性からしばしば重篤化し,急性閉塞性化膿性胆管炎へと移行しやすく,70歳以上の黄疸症例は容易にbactibilia,bacteremiaを発症し長期間の入院を必要とすると報告されている(レベル3b)1)。 早期のドレナージが望ましいが,高齢者は合併症を有していることが多く,最初の治療としては観血的な治療法より内視鏡的胆道ドレナージが望ましいという意見が多い。 高齢者でも内視鏡的胆道ドレナージは可能であり,75歳以上の101症例に対してERCP(endoscopic retrograde cholangiopancreatography)を施行し,内視鏡的切石は98%で成功したという報告(レベル4)2),90歳以上の23症例に対してERCPを施行した報告(レベル4)3) や,80歳以上の高齢者182症例に対してESTを施行し,80歳以下と成功率は変らないという報告(レベル3b)4) もあることから,高齢であっても積極的にERCPによる診断と治療を行うべきである。 80歳以上の高齢者に対しては第一選択として乳頭切開を行わずにENBDを推奨している報告がある(レベル3b)5),経皮経肝的ドレナージを奨めている報告(レベル4)6) もある。 先の重症度分類にも触れたが,高齢者では重症化しやすい危険因子であり,中等症,軽症でもハイリスクグループと考えて対応する必要がある。

 

書誌情報