ガイドライン

(旧版)科学的根拠に基づく急性胆管炎・胆嚢炎の診療ガイドライン

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第XIII章 特殊な胆道炎


1. 小児の胆道炎
Q108. 小児急性胆道炎の適切な初期治療,搬送基準は?

小児急性胆道炎の初期治療は,
(1)絶飲食,(2)十分な補液,(3)経静脈的抗菌薬投与であり,下記基準に従い必要に応じて小児外科専門医へのコンサルト・搬送を行う。(推奨度A)
I) (1) 胆道閉鎖症術後の急性胆管炎疑診例
  (2) 胆道拡張症術後,肝移植術後の胆管炎確診例
  (3) 胆道系の手術既往のない胆管炎確診例
  (4) 胆嚢炎確診例
II) I)以外の胆管炎,胆嚢炎疑診例
I) →初期治療を開始するとともにすみやかに小児外科専門施設にコンサルトする。
II) →初期治療を開始し,改善がみられない場合はすみやかに小児外科専門施設にコンサルトする。
小児急性胆道炎の初期治療は(1)絶飲食(2)十分な補液(3)経静脈的抗菌薬投与であり上記の搬送基準により小児外科医の勤務する施設へのコンサルト,搬送を行う。
胆道閉鎖症術後胆管炎の起炎菌は種々であり,広域スペクトルの抗菌薬が有効である。 中でもグラム陰性桿菌を主体とする腸内細菌の検出率が高い(レベル4)12,13)。 そのため,耐性菌の出現に考慮しつつ第3世代セフェム系抗菌薬,場合によってはアミノグリコシド系抗菌薬の併用を行う(レベル4〜5)8,12,13)。 ただし,胆道閉鎖症術後の胆管炎はその治療が直接胆道閉鎖症の予後に関与し,胆管炎コントロールの可否が肝移植の適応にかかわってくるため,治療は専門施設で行うべきであり,初期治療を行った上での専門機関への搬送が必要である。
胆嚢炎の初期治療は,絶食(場合によっては経鼻胃管による胃内容物の吸引),点滴による十分な補液,適切な経静脈的抗菌薬投与が原則であるが,その場合でも超音波による厳密なフォローが重要である(レベル4)6,14)。 また小児は重症化をきたしやすく緊急の外科的処置を必要とする場合もある。
小児外科学会アンケート結果からも,小児胆道炎は当初から専門機関への搬送が必要であるという考え方の施設は回答のあった小児外科認定施設の46%にのぼり,また,初期治療を行った後に改善がない場合には専門施設への搬送が必要であるとした施設が51%であった。 さらに専門施設以外からの搬送で治療の不適切な症例を経験した施設では67%の施設が当初からの搬送を望んでおり,基礎疾患のある胆管炎,胆管炎確診例については当初からのコンサルト,搬送が第1選択である(レベル4)11)

 

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