ガイドライン

(旧版)科学的根拠に基づく急性胆管炎・胆嚢炎の診療ガイドライン

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第XII章 急性胆嚢炎 -手術法の選択とタイミング-



Q105. 内視鏡的乳頭切開による総胆管砕石後の腹腔鏡下胆嚢摘出術の時期は?

早期に行うことが可能である。(推奨度B)

胆管結石と胆嚢結石を有する症例においてESTと腹腔鏡下胆嚢摘出術を組み合わせた治療法の有用性は知られている。 しかし,内視鏡的乳頭括約筋切開術(EST : endoscopic sphincterotomy)による胆管切石と腹腔鏡下胆嚢摘出術を組み合わせて,両治療法の最適な間隔を検討したRCTレベルの報告はない。 一方,胆管結石症例に対しESTによる胆管切石後に腹腔鏡下胆嚢摘出術を行った2期的治療群(A群)と腹腔鏡下に胆管切石(経胆嚢管的切石または総胆管切石)と胆嚢摘出を行った1期的治療群(B群)のRCTによる比較では,成功率と合併症率には差はなく,在院日数(中央値)はA群では9.5日,B群では6.5日であり有意差を認めている(レベル2b)23)。 この在院日数よりESTによる胆管切石と腹腔鏡下胆嚢摘出術の間隔は短期日であることが推察できる。 ESTと腹腔鏡下胆嚢摘出術の組み合わせは,ESTによる胆管切石後に腹腔鏡下胆嚢摘出術を行う方法と腹腔鏡下胆嚢摘出術中にESTによる胆管切石を行う方法と腹腔鏡下胆嚢摘出術後に行う方法(レベル4)24,25,26) があるが,ESTによる胆管切石と腹腔鏡下胆嚢摘出術の間隔に一定の基準はふれられていない。 したがって,内視鏡的乳頭切開による総胆管砕石後の腹腔鏡下胆嚢摘出術の時期は,ESTによる胆管切石の術後合併症などの問題がなければ早期に行うことが可能である。

 

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