ガイドライン

(旧版)科学的根拠に基づく急性胆管炎・胆嚢炎の診療ガイドライン

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第XII章 急性胆嚢炎 -手術法の選択とタイミング-



Q102. 腹腔鏡下胆嚢摘出術の注意すべき偶発症は何か?

胆管損傷,他臓器損傷が挙げられる。

重篤な合併症として第1に胆管損傷があげられる。本邦における腹腔鏡下胆嚢摘出術全般についての集計では,日本内視鏡外科学会が行った全国調査では腹腔鏡下胆嚢摘出術が開始以来より1994年10月31日までの集計総数は41,595例であり,その中で胆管損傷と術後胆管狭窄を合計した胆管損傷数は537例1.29% である(レベル2b)15)。 また,その開始以来より2003年12月31日までの全国調査(治療レベル2b)5) での集計総数は214,935例であり,その中で同様に胆管損傷の総数は1,585例0.74% と報告され,頻度は減少している。 腹腔鏡下胆嚢摘出術が安定してきた最近では,胆管損傷の頻度は低下していることがうかがえるが,この数値は急性胆嚢炎に限って検討したものではない。 急性胆嚢炎についての信頼性のある報告は渉猟できないが,その頻度はさらに高いことが予想される。
第2に他臓器損傷がある。 これは腹腔鏡手術という制限された視野と手術操作に起因すると考えられる。 日本内視鏡外科学会が行った全国調査5) では,消化管損傷(0.22%)が最も多く,次いで血管,肝臓となっている。 その他,術中・術後の出血があり,出血部位として胆嚢動脈,胆嚢床,トロッカー刺入部があげられている。

 

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