ガイドライン

(旧版)科学的根拠に基づく急性胆管炎・胆嚢炎の診療ガイドライン

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第XI章 急性胆嚢炎 -胆嚢ドレナージ法-


3. 手技
2)経皮経肝胆嚢吸引穿刺法(PTGBA : percutaneous transhepatic gallbladder aspiration)
超音波映像下に胆嚢に細径針を穿刺し胆嚢内胆汁を吸引する方法である(図2)。 ベッドサイドで簡便に行えレントゲン透視も必要としないためコストもかからず合併症も少ない胆嚢ドレナージ法である。 PTGBDに比べてドレナージチューブの管理の必要がないため逸脱などの合併症がなく3),患者のADLも損なわれないなどの利点を持つが,RCT8) によればドレナージ効果に劣るとされる(表2)。 ただし,PTGBAは2回以上行うことによりドレナージ効果がより高くなることが知られており5,7),PTGBDとの単純なドレナージ効果の比較だけでなく患者ADLなどもアウトカムに含めたRCTによる検証が必要である。
腹腔内への胆汁の漏れを考慮し肝臓を介した穿刺ルートを選択し,超音波映像下に穿刺針の先端を確認しながら胆嚢内容液が十分に吸引され胆嚢が虚脱するまで行う(図2)。 18Gの太い穿刺針では炎症性産物や胆砂で粘稠な胆汁を吸引するのに好都合であるが穿刺針抜去後の胆汁の漏れを考慮する必要がある。 一方,細径の21G針では抜去後の漏れの恐れは少ないが,粘稠な胆汁では吸引が難しいため抗生物質を混じた生理食塩水で洗浄しながら吸引する必要がある。 本邦での報告では21G針が用いられることが多い5,7,8)

表2 PTGBAとPTGBDの成績の比較
報告者    症例数  technical
success
clinical
responses
complications
Ito8) PTGBA 28 82% 61%* 0.4%
(2004) PTGBD 30 100% 90%* 0.3%
Kutsumi5) PTGBA 94 100%  83%(91%**)  1.1%
(2004) PTGBD 13 100% - 23.1%
Chopra3) PTGBA 31 97% 74% 0%*
(2001) PTGBD 22 97% 86% 12%*
Mizumoto7) PTGBA 58 98% 81%(94%** 2.5%
(1992) PTGBD        
 *:p < 0.05,**:2回以上のPTGBAにより軽快した率


図2 PTGBAの実際
a)超音波映像下に経肝的に胆嚢内腔に穿刺針を刺入し,マンドリンを抜去する。
b)実際の超音波写真
3本の点線は穿刺ガイドである。胆嚢は肝下面の低エコー領域として抽出されている。胆嚢内腔の高エコーは,穿刺針先端が胆嚢内に刺入されていることを示す。


c)マンドリンを抜き胆汁を吸引する。


d)胆嚢内腔液を十分に吸引したら穿刺針を抜去する。

 

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