ガイドライン

(旧版)科学的根拠に基づく急性胆管炎・胆嚢炎の診療ガイドライン

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第IX章 急性胆管炎 -診断基準と重症度判定-


5. 鑑別診断
Q80. 急性胆嚢炎に胆嚢癌が合併している頻度は?

急性胆嚢炎に胆嚢癌が合併している頻度は1〜1.5%である。
高齢者では胆嚢癌の合併頻度が高い(60歳以上では9%)。

急性胆嚢炎では1〜1.5%に胆嚢癌が認められる(レベル4)75,90)。60歳以上では胆嚢癌の合併頻度が高くなる(8.8%)(レベル4)91)。 一方,胆嚢癌の急性胆嚢炎併存率は9.8〜31.5%と報告されているが(レベル4)75,76,77,78,79,80,81,82,92),急性胆嚢炎を合併した胆嚢癌症例のほうが,非合併例よりも高齢である(レベル4)76)。 急性胆嚢炎を合併した胆嚢癌の術前診断率は,年々向上する傾向にはあるが0〜56%と低率である(レベル4)75,76,77,78,79,80,81,82)
カラードプラ超音波検査による胆嚢壁の血流速度の測定が胆嚢癌との鑑別に有用である(レベル4)93)。 また,EUS上,表面不整の高度肥厚した低エコーが胆嚢癌に特徴的とされている(レベル4)94)
胆嚢癌症例における胆汁細胞診の癌陽性率は39〜50%である(レベル4)95,96)。 胆嚢内にドレナージチューブを留置し,頻回に胆嚢洗浄液による胆汁細胞診を行うと,癌陽性率が高率(感度87.5%,特異度92.0%)である(レベル4)97)。 また,胆嚢壁あるいは腫瘤からの吸引細胞診では高い癌陽性率(感度92.3%,特異度100%)となる(レベル4)96)
胆汁中CA19-9やCEAは急性胆嚢炎でも胆嚢癌でも高値となり,急性胆嚢炎と胆嚢癌との鑑別診断には有用でない(レベル4)21,98)

 

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