ガイドライン

(旧版)科学的根拠に基づく急性胆管炎・胆嚢炎の診療ガイドライン

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第IX章 急性胆管炎 -診断基準と重症度判定-


4. 画像診断
1)超音波検査(体外式)
Q72. 急性胆嚢炎の超音波所見は?

急性胆嚢炎の超音波所見は,胆嚢腫大,胆嚢壁肥厚,胆嚢結石,デブリエコー,ガス像,sonographic Murphy sign,胆嚢周囲の液体貯留,胆嚢壁sonolucent layer,などがある。
sonographic Murphy signが診断に有用である。(推奨度A)

急性胆嚢炎の超音波所見として,胆嚢腫大,胆嚢壁肥厚,胆嚢内の結石,デブリエコー,ガス像,プローブによる胆嚢圧迫時の疼痛(sonographic Murphy sign),胆嚢周囲の液体貯留,胆嚢壁sonolucent layer,不整な多層構造を呈する低エコー帯,ドプラシグナル,等がある(レベル4)33,34,37)。 胆嚢腫大,胆嚢壁肥厚の基準としては,長径8cm以上,短径4cm以上,胆嚢壁4mm以上,が目安となる。
結石の描出能は良好であるが,胆嚢管結石の描出能は13%と不良である。 状況に応じて他のmodality(MR cholangiographyなど)を用いる(レベル3b)28)
Sonographic Murphy signは,急性胆嚢炎の診断に有用である35,36)。 感度はやや劣るものの(63.0%,95%CI;49.1〜77.0%),特異度に優れた所見(93.6%,95%CI;90.0〜97.3%)である(レベル4)35)
胆嚢壁内の一層の低エコー帯を指すsonolucent layerは,急性胆嚢炎の診断において感度8%,特異度71%であり,良好な指標とはいえない。 不整な多層構造を呈する低エコー帯の存在が,感度62%,特異度100%であり,より診断的価値が高い(レベル4)37)
ドプラ超音波検査(カラーあるいはパワー)は,胆嚢炎の診断上有用である32,38,39)。 ドプラ超音波検査(カラーあるいはパワー)は,感度95%,特異度100%,accuracy99%,PPV100%,NPV99%と,通常の超音波検査の診断能(感度86%,特異度99%,accuracy92%,PPV92%,NPV87%)より優れている(レベル3b)32)(表5)。

表5 急性の右上腹部痛を訴えた症例における超音波検査による急性胆嚢炎の診断能(文献32)より引用)
所見 Sensitivity Specificity Accuracy PPV NPV
Wallthickness > 3mm 82% 78% 79% 44% 95%
Pericholecystic fluid 32% 99% 87% 87% 88%
Striations 36% 98% 87% 80% 88%
Calculus 82% 76% 77% 41% 95%
Sonographic Murphy徴候 86% 93% 92% 73% 97%
Flow on color Doppler 95% 100% 99% 100% 99%
Flow on power Doppler 95% 100% 99% 100% 99%


 

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