ガイドライン

(旧版)科学的根拠に基づく急性胆管炎・胆嚢炎の診療ガイドライン

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第IX章 急性胆管炎 -診断基準と重症度判定-


1. 診断基準と重症度判定基準
症 例
症 例:壊疽性胆嚢炎

 51歳,女性
主 訴 右季肋部痛
既往歴 5年前に胃癌で手術(胃全摘術)を受けた。
現病歴 一昨日より右悸肋部痛が出現し,徐々に痛みが増強してきたため,来院した。発熱は認めなかった。
理学所見 右悸肋部に圧痛を認め,胆嚢を腫瘤状に触知した。Murphy signを認めた。
血液検査成績
白血球数 13.700/mm3 赤血球数 363万/mm3
Hb 11.2g/dL Ht 35.5%
血小板数 14.7万/mm3 総蛋白 5.9g/dL
アルブミン 3.4g/dL 尿素窒素 16.5mg/dL
クレアチニン 0.6 mg/dL 総ビリルビン 0.6mg/dL
AST 20U/L ALT 13U/L
LDH 189U/L γ-GTP 16U/L
アミラーゼ 45U/L CRP 3.2mg/dL
入院時超音波検査所見 胆嚢は著明に腫大し,内部には胆泥の貯留を認めた。胆嚢壁の肥厚や胆嚢周囲の液体貯留像は認めなかったため,この時点では軽症の急性胆嚢炎と診断した。Sonographic Murphy signが陽性であった。
入院後の経過 初期治療(輸液,抗菌薬投与)を開始した。翌日になっても右悸肋部痛は改善しなかったため,CTを撮影した。 胆嚢の腫大,胆嚢壁の高度肥厚,胆嚢壁の不整像(intraluminal flap像),胆嚢周囲液体貯留像を認めたため,中等症の急性胆嚢炎と診断した(写真5a,5b)。 入院2日目に胆嚢摘出術(開腹)を施行した。
手術所見 胆嚢壁の壊死像を認め,壊疽性胆嚢炎の所見であった(写真5c)。結果的には重症の急性胆嚢炎であった。


写真5a
CT検査:胆嚢壁intraluminal flap像(矢印)を認めた。
写真5b
CT検査:胆嚢壁の高度肥厚(A),および胆嚢周囲の液体貯留像(B)を認めた。
写真5c
手術所見:胆嚢壁の壊死像を認めた。


 

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