ガイドライン

(旧版)科学的根拠に基づく急性胆管炎・胆嚢炎の診療ガイドライン

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第VII章 急性胆管炎 -根本的治療- 胆管ドレナージ法の選択とタイミング



Q60. 急性胆管炎で胆管結石の処置をした後に胆嚢摘出術は必要か?

急性胆管炎消退後の胆嚢結石に対する胆嚢摘出術。(推奨度B)

BoermaらはESTによる総胆管結石治療例(全例,有石胆嚢例)を治療後に腹腔鏡下胆嚢摘出術を行う群と経過観察群の2群の比較検討から(レベル2b)28),経過観察群では59例中27例(47%)に症状が出現し,うち22人は胆嚢摘出術を受け,経過観察は妥当ではないと結論している。
EST後に有石胆嚢を放置した場合の胆嚢炎(有症状化を含む)発症率は7.6〜22% とされている(レベル2b)29,30,31,32)。 この発症率は通常の無症状胆石の有症状化率(15.5〜51%)と比べ必ずしも有意に高率とはいえず,手術拒否例やハイリスク例などでは経過観察も選択可能である。 無石胆嚢の場合には胆嚢炎の発症は1% 前後と低く,胆嚢摘出術は不要である(レベル2b)29,30,31,32)(表4)。

表4 胆管結石を内視鏡的に治療した後の急性胆嚢炎の発症率
有石胆嚢 無石胆嚢 平均観察期間  
 5.8%(11/190) ‐ ‐   6.8年29)*
 7.6%(34/448)   1.2%(3/246)   7.5年30)
 12% (2/17)   0% (0/15)   14.5年31)
 22% (7/32)   1% (1/88)   10.2年32)
* 母集団が全て有石胆嚢かどうかは不明

 

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