ガイドライン

(旧版)科学的根拠に基づく急性胆管炎・胆嚢炎の診療ガイドライン

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第V章 急性胆管炎 -診断基準と重症度判定-


5. 鑑別診断
Q 42. 術後急性胆管炎に悪性疾患は隠れていないか?

悪性疾患の術後晩期の胆管炎では,17〜63%に癌の再発が認められる。また,胆道良性疾患の術後でも,術後胆管炎は胆管癌発生の危険因子であり,術後胆管炎を繰り返す症例には悪性疾患が隠れている可能性がある。

悪性疾患の術後晩期における胆管炎併発例では,膵頭十二指腸切除術で16.7%(レベル4)72),肝門部胆管癌では50〜62.5%(レベル4)73,74) に癌の再発が認められている。 胆道腸管吻合術が行われた胆道良性疾患1,003例(胆管結石736例,乳頭狭窄111例,術後良性胆管狭窄156例)の検討では,術後132〜218ヶ月の期間に55例(5.5%)で胆管癌の発生が認められている(レベル2b)75)。 術式別の術後胆管炎の発症頻度は,肝管空腸吻合術の6%に比べ,乳頭形成術や胆管十二指腸吻合術では11%と高く,胆管癌の発生頻度も肝管空腸吻合術の1.9%に比べ,乳頭形成術5.7%,胆管十二指腸吻合術7.6%と高くなっている。 また,術後胆管炎発症例では非発症例と比べ,胆管癌の発生頻度が有意に高く,術後胆管炎が胆管癌発生の独立した危険因子でもある(レベル2b)75)


 

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