ガイドライン

(旧版)科学的根拠に基づく急性胆管炎・胆嚢炎の診療ガイドライン

書誌情報
 
第V章 急性胆管炎 -診断基準と重症度判定-


2. 臨床徴候
2) 急性胆管炎の臨床徴候
Q26. どのような臨床症状の患者で急性胆管炎を疑うべきか(急性胆管炎はどのような症状をきたすのか)?

典型的な症状としては,右上腹部痛,悪寒を伴った発熱,黄疸があげられる。これらはCharcot3徴として知られているが,すべてを満たすのは約50〜70%程度の症例である(急性胆管炎の診断基準については「第V章/1)急性胆管炎の診断基準」参照)。

急性胆管炎の典型的な臨床徴候としては,従来から重要視されてきたCharcot3徴として知られている右上腹部痛,発熱,そして黄疸があげられる。 急性胆管炎の症例全体を対象にすると,発熱や腹痛は80%以上にみられるのに対して,黄疸は60〜70%に認める程度という報告が多い(レベル2b〜4)3,4,6,8,9,10,18,19)。 しかし,Charcot3徴すべてを呈した症例は多くの報告で50%から70%であり3,4,5,6,7,8,9,10),また必ずしも化膿性胆管炎など重篤な胆管炎で高率にみられるとは限らない。 従来からの臨床徴候によって,すなわち古典的なCharcot3徴の診断基準により急性胆管炎を診断することは限界がある。 なお,胆管炎以外の疾患でCharcot3徴を認めたのは,わずか9%に過ぎない(レベル2b)3)

重症胆管炎についてはReynolds5徴を認めるのは10%未満の症例にみられるのに過ぎない。(急性胆管炎の重症度判定基準については「第V章/Q24.急性胆管炎の重症度の定義と重症度判定基準は?」参照)


一方,ショックや意識障害に関しては,疾患の診断基準にもより重篤な胆管炎を定義していると思われる報告例では高い傾向がみられるが,その出現頻度は低く,特に意識障害に関しては最も出現頻度の高い報告でも約3割程度である(レベル4)3,4,5,6,7,9,10,34)。 以前から重症の急性胆管炎,急性閉塞性化膿性胆管炎の臨床徴候として知られているReynolds5徴すべてがそろうことは極めてまれであり,多くの報告で10%未満に過ぎない(レベル4)5,6,7,9)

 

書誌情報