ガイドライン

(旧版)科学的根拠に基づく急性胆管炎・胆嚢炎の診療ガイドライン

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第V章 急性胆管炎 -診断基準と重症度判定-


1. 診断基準,重症度診断と搬送基準
3)搬送基準
Q25. どのような急性胆管炎を,いかなる施設に搬送すべきか?

重症胆管炎の治療には重症患者の管理とともに胆道ドレナージが必要であり,重症もしくはその危険性のある胆管炎はその対応が可能な施設において治療する。(推奨度A)

表2 急性胆管炎の保存的治療時の致死率
報告者  保存的治療の致死率 
 O'Connor MJ7) 87%
 Welch JP10) 100%
 本邦集計(1980)27)   83%

胆道ドレナージの重要性について,現在までに以下の報告がある。
重症胆管炎では,速やかに適切な胆道ドレナージが行われない限り,急激な全身状態の悪化をきたし不幸な転帰をたどることが多い(レベル4)11)
保存的治療だけでは急性胆管炎の多くは救命できない(表2)(レベル4)7,10,27)
急性胆管炎では,胆管閉塞が解除されない限り,さらに重篤になる危険性は常に内蔵されている(レベル4)28)
高齢者では,発症後容易に重症化するため,AOSCを疑えば,胆管非拡張例でも積極的に胆道ドレナージを行うことが救命のためには肝要である(レベル4)29)
1980年以前の報告では50%以上の致死率であったが,ESTなどの胆道ドレナージ術が普及した1980年以後の報告では2.5〜27.7%と致死率は明らかに低下している(「第III章/Q15.急性胆管炎の死亡率は?」参照)。
軽症のうちに治療する予防的治療が成績を向上させるうえで重要である(レベル4)13)
ショックや意識障害が出現する前に処置を行う必要がある(レベル4)15)
以下の場合は,胆道減圧術が必要である。(1)閉塞性である場合(画像診断所見,黄疸の存在),(2)保存治療で改善しない場合,(3)臓器障害を伴う(レベル5)30)
重症例の他,急性膵炎の合併例に対しても緊急な対応が必要である(レベル4)31)


 

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