ガイドライン

(旧版)科学的根拠に基づく急性胆管炎・胆嚢炎の診療ガイドライン

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第V章 急性胆管炎 -診断基準と重症度判定-


1. 診断基準,重症度診断と搬送基準
2)重症度診断
Q24. 急性胆管炎の重症度の定義と重症度判定基準は?

Reynolds5徴をきたした胆管炎は最重症と位置付けられる症態であるが,これは非常にまれで数%にしかみられない。 しかし,Reynolds5徴をみたさない症例でも生命がおびやかされる重症胆管炎も数多く存在し前頁に提示したような重症胆管炎の予備群も多く存在している。 したがって,急性胆管炎の治療成績向上のためには明確なる重症度判定基準の作成が重要であり,下記に示す。

急性胆管炎の重症度の定義
重 症 敗血症による全身症状をきたし,直ちに緊急胆道ドレナージを施行しなければ生命に危機を及ぼす胆管炎。
中等症 全身の臓器不全には陥っていないが,その危険性があり,すみやかに胆道ドレナージをする必要のある胆管炎
軽 症 胆管炎を保存的治療でき,待機的に成因検索とその治療(内視鏡的処置,手術)を行える胆管炎。

急性胆管炎の重症度判定基準
重症急性胆管炎
急性胆管炎の内,以下のいずれかを伴う場合は「重症」である。
 (1) ショック
(2) 菌血症
(3) 意識障害
(4) 急性腎不全
中等症急性胆管炎
急性胆管炎の内,以下のいずれかを伴う場合は「中等症」とする。
(1) 黄疸(ビリルビン > 2.0mg/dL)
(2) 低アルブミン血症(アルブミン < 3.0g/dL)
(3) 腎機能障害(クレアチニン > 1.5mg/dL,尿素窒素 > 20mg/dL)
(4) 血小板数減少*( < 12万/mm3
(5) 39℃ 以上の高熱
軽症急性胆管炎
急性胆管炎のうち,「重症」,「中等症」の基準を満たさないものを「軽症」とする
*肝硬変等の基礎疾患でも血小板減少をきたすことがあり注意する。
付記:重症例では急性呼吸不全の合併を考慮する必要がある。


 

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