ガイドライン

(旧版)科学的根拠に基づく急性胆管炎・胆嚢炎の診療ガイドライン

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第V章 急性胆管炎 -診断基準と重症度判定-


1. 診断基準,重症度診断と搬送基準
2)重症度診断
Q20. 重症急性胆管炎がこれまでどう定義されてきたか?

重症急性胆管炎はReynolds5徴をきたした胆管炎とされてきたが,実際にこのような胆管炎は非常にまれ5,6,7,9) である。 また,一部に急性閉塞性化膿性胆管炎(AOSC:acute obstructive supprative cholangitis)という用語が,Reynolds5徴をきたした胆管炎や概念的に最重症の胆管炎として用いられてきたが,その定義や診断根拠が曖昧で混乱がみられている。 このため,従来から以下に示すような様々な重症急性胆管炎の定義がされてきた。

発熱,黄疸,腹痛,意識障害,ショックなどの重篤な症状を呈し,緊急胆道ドレナージ以外には救命し得ない急性胆管炎(レベル4)9)
ショックに陥るような急性胆管炎(レベル4)10)
Charcotの3徴にショック,意識障害,DIC,臓器不全のいずれかを合併したもの(レベル4)11)
ショック,DIC,MOFを併発する急性胆管炎(レベル4)12)
ショックや意識障害を伴い,また,胆管内に化膿性胆汁を認め,早期に胆道ドレナージが必要な急性胆管炎(レベル4)13)
ショック,腎不全などの臓器不全を伴う急性胆管炎(レベル4)14)
“requiring urgent decompression of the biliary system”(レベル4)15)
“progression of biliary sepsis was evident, despite an adequate trial of conservative treatments”(レベル4)5)

これらの定義をまとめると,重症胆管炎は,(1)保存的治療に抵抗性,(2)臓器不全(腎不全,ショック,DIC,意識障害)を伴う,(3)早急に胆道ドレナージが必要,の3つをキーワードとしてあげられる。

 

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