ガイドライン

(旧版)科学的根拠に基づく急性胆管炎・胆嚢炎の診療ガイドライン

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第IV章 診療フローチャートと診療のポイント


6)急性胆嚢炎の診療のポイント
(1)初期治療,抗菌薬の選択については「第X章/Q85.急性胆嚢炎の初期治療は何か?」参照のこと

(2)重症度判定はどのように行うのか?

急性胆嚢炎の重症度判定基準(「第IX章/2)急性胆嚢炎の重症度判定基準」参照)
重症急性胆嚢炎
急性胆嚢炎の内,以下のいずれかを伴う場合は「重症」である。
 (1) 黄疸*
(2) 重篤な局所合併症:胆汁性腹膜炎,胆嚢周囲膿瘍,肝膿瘍
(3) 胆嚢捻転症,気腫性胆嚢炎,壊疽性胆嚢炎,化膿性胆嚢炎
中等症急性胆嚢炎
急性胆嚢炎の内,以下のいずれかを伴う場合は「中等症」である。
(1) 高度の炎症反応(白血球数 > 14,000/mm3,またはCRP > 10mg/dL)
(2) 胆嚢周囲液体貯留
(3) 胆嚢壁の高度炎症性変化:胆嚢壁不整像,高度の胆嚢壁肥厚
軽症急性胆嚢炎
急性胆嚢炎のうち,「中等症」,「重症」の基準を満たさないものを「軽症」とする。
*胆嚢炎そのものによって上昇する黄疸は特にビリルビン>5mg/dLでは重症化の可能性が高い(胆汁感染率が高い)。


(3)どのように治療をすすめるのか?

急性胆嚢炎の診療指針(「第IX章/3)急性胆嚢炎の診療指針」参照)
(1) 急性胆嚢炎では,原則として胆嚢摘出術(腹腔鏡下の胆嚢摘出術が多く行われている)を前提とした初期治療(全身状態の改善)を行う。
(2) 黄疸例や,全身状態の不良な症例では,一時的な胆嚢ドレナージも考慮する。
(3) 重篤な局所合併症(胆汁性腹膜炎,胆嚢周囲膿瘍,肝膿瘍)を伴った症例,あるいは,胆嚢捻転症,気腫性胆嚢炎,壊疽性胆嚢炎,化膿性胆嚢炎では,全身状態の管理を十分にしつつ緊急手術を行う。
(4) 中等症では初期治療とともに迅速に手術(腹腔鏡下胆嚢摘出術が望ましい)や胆嚢ドレナージの適応を検討する。
(5) 軽症でも初期治療に反応しない例では手術(腹腔鏡下胆嚢摘出術が望ましい)や胆嚢ドレナージの適応を検討する。
  急性期に胆嚢摘出術を行わなかった症例でも胆嚢結石合併例では,再発防止のために炎症消退後に胆嚢摘出術を行うことが望ましい。
注:「無石胆嚢炎」「併存疾患がある場合」「急性胆管炎を合併した場合」「高齢者」「小児」では重症化しやすい,あるいは病態が特殊であるため,軽症であっても慎重に対応する必要がある。


(4)急性胆嚢炎の搬送基準は?
急性胆嚢炎の搬送基準(「第IX章/4)急性胆嚢炎の搬送基準」参照)
重 症: 緊急手術,胆道ドレナージおよび重症患者の管理ができない施設では,対応可能な施設にすみやかに搬送するべきである。
中等症・軽症: 初期治療を行い,治療に反応しない場合,手術および,胆道ドレナージができない施設では対応可能な施設にすみやかに搬送/紹介する。


(5)胆嚢ドレナージ法の選択については「第XI章 急性胆嚢炎-胆嚢ドレナージ法-」参照のこと

(6)特殊な胆嚢炎について
小児,高齢者については「第XIII章/1.小児の胆道炎,2.高齢者の胆道炎」参照のこと
無石胆嚢炎については「第XIII章/3.無石胆嚢炎」参照のこと

(7)手術法の選択については「第XII章 急性胆嚢炎-手術法の選択とタイミング-」参照のこと

 

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