ガイドライン

(旧版)科学的根拠に基づく急性胆管炎・胆嚢炎の診療ガイドライン

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第III章 定義・病態と疫学


3. 予後
2)急性胆嚢炎
Q19. 急性胆嚢炎の死亡率は?

急性胆嚢炎患者の死亡率は0%〜10%と報告されている(レベル4)87,90,94,95,96,97,100,101,102)(表6)。 時代や地域による差は顕著には認められないが,術後性胆嚢炎や無石胆嚢炎患者のみをみると,23%〜40%と死亡率が高い(レベル4)104,105)。 75歳以上の高齢者の死亡率は若年者に比して高い傾向が観察され(レベル4)99,106,107),また糖尿病の合併は死亡リスクを高める可能性がある(レベル4)87)。 しかしながら,報告によって急性胆嚢炎の診断基準は一様ではなく,また,急性胆嚢炎の死亡率は,適用される治療手技の種類や質のみでなく,患者の年齢や合併疾患の有無や程度,発症から治療までのタイミングや重症度などのさまざまな要因による影響を受けるので,これらの要因を補正することなく単純に比較することは難しい。

表6 急性胆嚢炎死亡率
報告 期間 対象 症例数(例) 死亡率(%)
Meyer94) 1958〜1964 USA   245 4.5.7
Ranasohoff 87) 1960〜1981 USA   298 3.4
Gagic95) 1966〜1971 USA   93 9.7
Girald96) 1970〜1986 Canada   1,691 0.7
Addison97) 1971〜1990 UK   236 4.7
河合100) 1975〜1984 Japan   100 2.0
柿田91) 1982〜1991 Japan   81 0
Bedirli 101) 1991〜1994 Turkey   368 2.7
Gharaibeh102) 1993〜1900 Jordan   20 0
高田99) 1932〜1979 Japan 65歳以上 122 1.6
Hafif 106) 1952〜1967 Israel 70歳以上 131 3.8
Gingrich98) 1976〜1985 USA 外瘻術のみ 114 32.0
Glenn107) 1977〜1987 USA 65歳以上 655 9.9
Kalliafas104) 1981〜1987 USA 無石性のみ 27 40.7
Inoue105) 1989〜1993 Japan 術後性のみ 494 23.1
Savoca103) 1994〜1999 USA 無石性のみ 47 6.4

 

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