ガイドライン

(旧版)科学的根拠に基づく急性胆管炎・胆嚢炎の診療ガイドライン

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第III章 定義・病態と疫学


2. 成因,発生頻度
Q12. 妊娠は,急性胆道炎の危険因子か?

妊娠により胆嚢炎のリスクが高くなるかどうかは不明である。

女性における胆石症の発症のリスクは,思春期の始まりとともに高くなり閉経後に減少する。 また経口避妊薬の使用は,胆嚢疾患のリスクと相関するといわれている。 したがって,胆石の生成には血中エストロゲンやプロゲステロンの濃度が関与すると考えられている64)。 胆嚢炎は虫垂炎についで2番目に多い妊娠中の外科的疾患であり,1,600から1万件の妊娠あたり1例の割合で発生する(レベル4)64)。 胆石症が妊娠中の胆嚢炎の原因として最も多く,90%以上を占める(レベル4)64)。通常の超音波検査で妊婦の3.5%に胆石がみられるが(レベル4)64),妊娠により胆嚢炎のリスクが高くなるかどうかは不明である。 妊婦における胆嚢摘出術の頻度は,非妊婦における頻度と比較して低いが,これは妊婦における胆嚢疾患の頻度が低いためではなく,医師が妊婦に対する手術を差し控えるためであると考えられる。 妊娠中の胆嚢摘出術施行については検討が少ないが,腹腔鏡手術が母胎へのリスクを助長する結論には至っていない(レベル2c)65)

 

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