ガイドライン

(旧版)科学的根拠に基づく急性胆管炎・胆嚢炎の診療ガイドライン

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第III章 定義・病態と疫学


2. 成因,発生頻度
Q11. 回虫症は胆道疾患に関連するか?

日本では回虫症による胆管結石・急性胆管炎・無石胆嚢炎などが以前みられたが,罹患率の減少により現在は稀となった。

回虫症の合併症として,肝・胆・膵疾患は最も頻度が高い(レベル4)63)。 戦後日本における回虫症の罹患率は劇的に減少したが(1955年の罹患率70〜80%に対して,1992年の罹患率は0.04%),中国・東南アジアなどの流行地帯では,回虫症は胆道系疾患の原因として胆石症と同じくらい頻度が高い(レベル4)63)。 回虫による胆道疾患は,十二指腸内の回虫が乳頭部から肝管・胆管へ迷入して閉塞を生じることにより起こる。 胆道に迷入した回虫は,通常1週間以内に胆道から十二指腸へと移動するが,もし10日以上とどまる場合には死亡して胆石の核となる。 回虫に関連した胆道疾患は,女性に多く(男女比1:3),小児には比較的少ない。 また妊婦は,非妊婦よりも胆道系合併症のリスクが高い(レベル4)63)。 大部分の患者には,胆道系手術や内視鏡的乳頭切開術の既往があるといわれている。 回虫による胆道合併症には,(1)(回虫を核とした)胆管結石,(2)無石胆嚢炎,(3)急性胆管炎,(4)急性膵炎,(5)肝膿瘍,の5つがある(レベル4)63)

 

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