ガイドライン

(旧版)科学的根拠に基づく急性胆管炎・胆嚢炎の診療ガイドライン

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第III章 定義・病態と疫学


2. 成因,発生頻度
Q1. 急性胆管炎発症の成因は?

急性胆管炎は2つの機序,すなわち胆道閉塞と胆汁中の細菌増殖(胆汁感染)により起こる。

急性胆管炎の発症には2つの要因が必要となり,それらは1)胆道閉塞と,2)胆汁中の細菌増殖(胆汁感染)である。 胆道閉塞の原因のうち頻度が高いのは,総胆管結石症・良性胆道狭窄・胆道の吻合部狭窄・悪性疾患による狭窄である(レベル4)15,16)。 かつては総胆管結石症が最も頻度の高い成因であったが,近年は悪性疾患や硬化性胆管炎,非手術的胆道操作による急性胆管炎が増加している。急性胆管炎の成因に悪性疾患が占める割合は,約10〜30%と報告されている(レベル4)15,16)。 表1,2に急性胆管炎の成因を示す。

表1 急性胆管炎の成因
胆石
良性狭窄
先天性
術後(胆管損傷,総胆管空腸吻合の狭窄など)
炎症性(oriental cholangitisなど)
悪性閉塞
胆管腫瘍
胆嚢腫瘍
乳頭腫瘍
膵臓腫瘍
十二指腸腫瘍
膵炎
寄生虫の迷入
外的圧迫
乳頭の線維化
十二指腸憩室
血塊(血性胆汁)
胆管空腸側々吻合後のsump syndrome
医原性


表2 急性胆管炎の成因の割合
報告者 Year Setting N 成因
結石症 良性狭窄 悪性狭窄 硬化性胆管炎 その他/不明
Gigot16) 1963〜83 University Paris 412 48% 28% 11% 1.5% -
Saharia & Cameron20) 1952〜74 Johns Hopkins Hospital, USA 76 70% 13% 17% 0% -
Pitt & Couse21) 1976〜78 Johns Hopkins Hospital, USA 40 70% 18% 10% 3% -
Pitt & Couse21) 1983〜85 Johns Hopkins Hospital, USA; 48 32% 14% 30% 24% -
Thompson22) 1986〜89 Johns Hopkins Hospital, USA 96 28% 12% 575 3 -
Basoli23) 1960〜85 University of Rom 80% 69% 16% 13% 0% 4%
代田ら24) 1979 日本全国アンケート 472 56% 5% 36% - 35

 

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