ガイドライン

(旧版) 肝癌診療ガイドライン2009年版

書誌情報
 
第4章 化学療法・放射線治療


第1節 化学療法

CQ35 経口化学療法は効果があるのか?

推 奨
経口化学療法はあまり効果がなく,有効であるという科学的な根拠がないので勧められない。
(グレードC2)

■サイエンティフィックステートメント
経口抗癌剤として5-FUの誘導体であるテガフール・ウラシル配合剤(UFT)と無治療を比較したRCTでは,奏効率17.8%で,生存期間延長がみられた(生存期間中央値12.13カ月 vs. 6.20カ月;p<0.01)(LF020051),Level 1b)。その他の報告では,奏効率は 0〜7.9%であった(表4参照)。
経口抗癌剤としてさまざまな薬剤が使用されており,いずれも副作用は軽度で忍容性があるものの,奏効率も低く予後改善効果はまだはっきりしない。

■解 説
1件のRCTがあり経口化学療法の有効性を示していたが,症例数は少なく,コントロール群の29%が脱落している。その他は phaseIIの報告であり,奏効を示さなかった論文が2件あった。その他の報告でも,奏効率も低く予後改善効果もみられないため,推奨の強さのグレードはC2と判断した。
近年では,肝細胞癌にも他の癌腫と同じように,ソラフェニブ,エルロチニブ,サリドマイドといった新規分子標的薬による経口化学療法が試みられている。このガイドラインの文献検索期間には該当しないが,2008年7月にソラフェニブの進行肝細胞癌への有効性が大規模二重盲検RCTで示されており,今後標準治療になる可能がある。

■参考文献
1) LF02005 Ishikawa T, Ichida T, Sugitani S, Tsuboi Y, Genda T, Sugahara S, et al. Improved survival with oral administration of enteric-coated tegafur/uracil for advanced stageIV -A hepatocellular carcinoma. J Gastroenterol Hepatol 2001;16(4):452-9.

 

書誌情報