ガイドライン

(旧版) 肝癌診療ガイドライン2009年版

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第4章 化学療法・放射線治療


● はじめに
肝細胞癌に対する化学療法に関する論文は,他の悪性腫瘍に対する化学療法のように多数の症例を検討したランダム化比較試験(RCT)といったエビデンスレベルの高いものは少ない。また,さまざまな化学療法が報告されているが,対照群を伴わないphaseI/II相当の前向き研究や後ろ向き研究が多い。2007年6月までの検索論文では,進行肝細胞癌に対する治療として,標準的な化学療法は確立されていない。ただし,2008年7月にソラフェニブの進行肝細胞癌への有効性が大規模二重盲検RCTで示されており,今後標準治療になる可能性がある。わが国でも2009年5月に承認された。

2008年現在,保険診療で肝細胞癌が適応疾患として認められている抗癌剤は,以下の薬剤であり,このガイドラインにある他の抗癌剤は現在保険適応がない。

アルキル化剤(マスタード類) シクロホスファミド
代謝拮抗薬(ピリミジン系) フルオロウラシル(5-FU),
テガフール・ウラシル配合剤(UFT),
シタラビン
抗生物質(アントラサイクリン系) ドキソルビシン,エピルビシン,
ミトキサントロン
抗生物質(その他) マイトマイシンC
白金製剤 シスプラチン
分子標的薬 ソラフェニブ
(*:動注製剤)

■文献の選択
英語文献として,MEDLINEをデータベースとして,1982~2002年10月第3週までを検索対象期間とし,研究デザインがGuideline,Systematic Review,Meta-Analysis,Randomized Controlled Trial(RCT),Controlled Clinical Trial(CCT),Clinical Trial,Multi-Center Study,Cohort Study,Case-Control Study,Case Seriesを対象に,「Hepatocellular carcinoma」,「Chemotherapy」をキーワードに検索した855件についてAbstractを評価した。
日本語文献については,医学中央雑誌をデータベースとして,「肝細胞癌」,「化学療法」などをキーワードとして検索した2,103件について抄録を評価した。
原則として英語文献を採択し,評価は,論文形式,症例数,研究デザインを基に選択した。また塞栓を含む治療,手術前後の化学療法,開発中の薬剤や使用されなくなった薬剤を用いたものは除外した。抗腫瘍効果判定があいまいなものも除外した。
改訂では,さらに2007年6月までの文献に対して,各Clinical Questionに設定した検索式により該当した論文についてAbstractを評価した。

 

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