ガイドライン

(旧版)急性膵炎診療ガイドライン2010

書誌情報
第IX章  ERCP後膵炎
―消化器内視鏡関連手技後の膵炎―

 


2.ERCP後膵炎の発症頻度


診断的,またはES,EPBDを行う治療的ERCPについて合併症発症頻度の報告がある。欧米の報告によると,診断的ERCPによる急性膵炎の発症頻度は0.4〜1.5%とされている(レベル2b)2),3),4)。治療的ERCPによる合併症の発生頻度は診断的ERCPに比較して高く(レベル1b〜2b)5),6),急性膵炎の発症頻度は1.6〜5.4%(レベル1b〜2b)2),3),5),6),7),重症急性膵炎の発症頻度は0.4〜0.7%である(レベル2b〜4)4),8)。EPBDはESに比べて急性膵炎発症のリスクが高い(RR=1.98;95%CI=1.35〜2.90)(レベル1a)9)
厚生労働省の研究班が21施設を対象に行った調査によると,1995年から1998年の4年間に14,947例の診断的・治療的ERCPが施行され,うち166例(1.1%)に急性膵炎が発症した。急性膵炎の発症頻度は診断的ERCPで0.8%,治療的ERCPで1.9%であった。また重症急性膵炎の発症頻度は,診断的ERCPで0.07%,治療的ERCPで0.1%であった。治療的ERCPにおいて死亡例が1例あり,全体的な死亡率は0.007%,治療的ERCPに限った場合の死亡率は0.02%であった(レベル4)10)。総胆管結石に対してEPBDを行ったときの急性膵炎発症頻度は5〜20%と報告されている(レベル4)11)



 

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