ガイドライン

(旧版)急性膵炎診療ガイドライン2010

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第VI章  急性膵炎の診断

 
<参考画像>

図VI-1 急性膵炎colon cut-off sign(脾彎曲部)
A. 単純写真(CT scout view):小腸,盲腸(CE)〜横行結腸(TC)が拡張しているが,脾彎曲部で拡張が途絶している(colon cut-off sign)(矢頭)。ST:胃
B,C. 造影CT:Colon cut-off signの成因は造影CTでみると,急性膵炎に伴う左前腎傍腔の脂肪壊死(*)により大腸の脾彎曲部〜下行結腸(DC)が炎症性に壁が肥厚し,内腔が閉塞したことによる閉塞性イレウスであることが分かる。


図VI-2 急性膵炎colon cut-off sign(下行結腸)
A. 腹部単純X線:大腸の拡張が下行結腸部で途絶しており,colon cut-off sign(矢頭)を認める。小腸ループも限局性に拡張し,sentinel loop sign(矢印)も認める。 B,C. 造影CT:左前腎傍腔に液体貯留と左前腎筋膜の肥厚を認める。膵と同じ左前腎傍腔にある下行結腸(DC)は炎症の波及により浮腫状となり内腔が閉塞し(矢頭)(colon cut-off sign),口側の横行結腸(TC)が拡張している。
TC:横行結腸,DC:下行結腸


図VI-3 外傷性膵炎colon cut-off sign(横行結腸)
腹部単純写真(A)では横行結腸にcolon cut-off sign( )を認める。造影CT(B)では横行結腸間膜(*)〜大網(**)の脂肪壊死により横行結腸が閉塞しているのが分かる。 (Keith LM,Arthur FD. Clinically Oriented Anatomy[5th ed]. Lippincott Williams & Wilkins,2005.62)より改変)
Cに膵と横行結腸間膜の解剖を示す。


図VI-4 Sentinel loop sign

A. 腹部単純X 線:Sentinel loop sign(矢印)
B. 造影CT(Grade 1):両側前腎傍腔に液体貯留(*)。空腸の浮腫(矢頭)により口側の空腸の拡張(矢印)(sentinel loop sign)が生じている。


図VI-5 急性膵炎超音波像

急性膵炎の超音波所見としては,膵腫大,膵実質エコー輝度の低下,膵周囲の液体貯留などがみられる。


図VI-6 壊死性急性膵炎の超音波像

A. 膵実質の著明な腫大を認め, 膵実質エコー輝度の低下を伴っている。膵周囲脂肪織エコー強度の上昇を認め,急性膵炎の所見が考えられる。
B. 膵尾部には周囲膵実質よりさらに低エコーを呈する領域(矢頭)を認め, 膵壊死をみているものと考える。


図VI-7 アルコール性急性膵炎,腸間膜後方仮性嚢胞(*)

造影ダイナミックCTの横断像(A)と矢状断像(B)では上腸間膜動静脈を前方へ圧排する仮性嚢胞(*)を認める。


図VI-8 外傷性膵炎+仮性嚢胞(*)

造影ダイナミックCTでは膵体部で膵の断裂(矢印)と仮性嚢胞形成(*)を認める。


図VI-9 急性膵炎+仮性嚢胞(*),胃壁内進展

A. 造影ダイナミックCT:膵体部より胃壁内突出する仮性嚢胞(*)を認める。
B. 胃内視鏡検査:胃内腔に突出する粘膜下腫瘤様の形態(*)を呈する。
仮性嚢胞に対して経胃的ドレナージ術を施行し,仮性嚢胞は消失した。


図VI-10 出血性仮性嚢胞(網嚢)

A. 超音波:嚢胞性腫瘤内(*)に高エコーの充実部(矢頭)を認め,嚢胞性腫瘍が疑われた。
B. 造影CT:網嚢内の嚢胞(*)は嚢胞壁が軽度造影されているが,嚢胞内には造影効果を示す充実部は認めない。
C,D. MRI:T1強調像(C)とT2強調像(D)では嚢胞内は著明な高信号を呈している。出血性仮性嚢胞であった。


図VI-11 急性膵炎+出血性仮性嚢胞(矢頭)

A,B. 単純および造影CT:小網腔に2個の仮性嚢胞(矢頭)を認める。前方の仮性嚢胞は胃壁内に進展している。後方の仮性嚢胞は辺縁部が高吸収域を呈する。
C,D. MRI:T2強調像(C)および脂肪抑制T1強調像(D)では仮性嚢胞(矢頭)は高信号を呈しており,出血を伴っていることが分かる。


図VI-12 感染性膵壊死

急性膵炎発症時の単純CT(A)では膵が腫大し,濃度が低下している(矢印)。造影CT(B)では膵全体に広範な非濃染域(膵壊死)(矢印)を認める。1週間後単純CT(C)では壊死部にはガス(矢頭)が生じ,感染の合併が強く疑われた。緊急ドレナージ手術(D:矢頭)が行われ救命された。


図VI-13 急性膵炎+脂肪壊死(横行結腸間膜)

A. 単純CT:膵前面の横行結腸間膜にやや高吸収を呈する脂肪壊死(*)を認める。
B. 造影CT:脂肪壊死部(*)にはまだらな造影効果を認めている。


図VI-14 急性浮腫性膵炎MRI T2強調像

MRIのT2強調像(A:横断像,脂肪抑制,B:冠状断像)では膵は軽度腫大腫瘍,炎症性の浮腫により膵実質が軽度高信号を呈している。膵周囲後腹膜腔の液体貯留(矢頭)も著明な高信号を呈している。


図VI-15 アルコール性急性膵炎,出血性後腹膜脂肪壊死

A. 単純CT:膵周囲にやや濃度の高い液体貯留(矢印)を認める。
B. 脂肪抑制T1強調像:高信号を呈しており(矢印),出血を伴った脂肪壊死であることが分かる。


図VI-16 胆石症,急性壊死性膵炎(脂肪抑制T1強調像造影前後)

MRIの脂肪抑制T1強調像(造影前:A,C/造影後:B,D)では,膵体部には造影前(C)で高信号,造影後(D)で造影不良な出血性壊死が明瞭に指摘できる。また,膵周囲の後腹膜腔の出血性脂肪壊死(A,B:*)も膵体部の壊死部と同様の信号を示す。脂肪壊死は出血を伴うことが多いので,その診断には脂肪抑制T1強調像が有用である。


図VI-17 急性膵炎(CT Grade 1),胆石,総胆管結石

CT(A〜C)では胆石(矢印)と膵炎の所見は指摘できるが,総胆管結石は指摘困難。MRIのT2強調像(D)およびMRCP(E)では低信号を呈する総胆管結石(矢頭)が明瞭に描出されている。ESTにて結石の除去に成功した(F)。


図VI-18 膵管胆道合流異常による急性膵炎(CT Grade1)

A. 造影CT:膵頭部の軽度腫大を認めるのみ。
B. MRCP:胆管と膵管の早期合流を認める(矢印)。

 

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