ガイドライン

(旧版)急性膵炎診療ガイドライン2010

書誌情報
第1版の序

 
日本腹部救急医学会 理事長
高田  忠敬

日本膵臓学会 理事長
松野  正紀

厚生労働省特定疾患対策研究事業
難治性膵疾患に関する調査研究班 班長
大槻  眞

日本腹部救急医学会(以下,腹部救急医学会)は約6,000名の会員からなり,外科,内科,救急科,集中治療科,放射線科をはじめとする腹部救急診療に携わる専門家によって構成されている。この学会の目的は腹部救急疾患領域で質の高い医療,教育,研究を促進することにある。また,日本膵臓学会(以下,膵臓学会)は約2,700名の会員からなり,膵臓疾患の診療,研究に従事する内科,外科,放射線科医師を中心に構成されている。また,厚生労働省特定疾患対策研究事業難治性膵疾患に関する調査研究班(以下,厚生労働省難治性膵疾患調査研究班)は1974年から厚生[労働]省から資金を得て,急性膵炎,慢性膵炎などに関して調査,研究を行ってきており,内科・外科医師を中心に構成されてきた。

1994年3月,第22回日本腹部救急医学会総会(宝塚市)において高田忠敬(腹部救急医学会理事長代行当時)の諮問機関として将来計画に関する検討小委員会(委員長:房本英之大阪大学助教授)が発足し,ガイドライン作成が提案された。このガイドラインのあり方については,腹部救急医学会にて数年間の検討の後,1997年,第29回日本腹部救急医学会総会(浦安市)において高田理事長から,エビデンスに基づいた腹部救急診療ガイドライン作成の可能性の検討が提案され,真弓俊彦(名古屋大学講師)をガイドライン作成ワーキンググループ委員長として検討委員会が発足した。2年後,1999年,第32回日本腹部救急医学会総会(横浜市)において対象疾患として急性膵炎に焦点を当て,担当理事として平田公一(札幌医科大学教授,ガイドライン作成委員会委員長)が任命され,エビデンスに基づいた診断・治療指針作成が開始された。
2001年,急性膵炎診療ガイドライン第1案が作成され,インターネットの腹部救急医学会ホームページ(http://plaza.umin.ac.jp/jaem/)において公開し,会員からの意見を募った。さらに公開討論会の必要性から,2001年9月,第37回日本腹部救急医学会総会(札幌市)において公開シンポジウムを開催した。多くのご意見を基に第2案が作成され,出版に向けての作業を進めることとなったが,ガイドラインの公開性を得るためにはより多くの医療従事者・関係者による外部評価を受ける必要があり,2002年4月,日本膵臓学会理事会において,高田腹部救急医学会理事長より松野正紀膵臓学会理事長,厚生労働省難治性膵疾患調査研究班(大槻眞班長)に対して両機関の構成メンバーにもガイドラインを周知していただき,評価および意見を募りたいという依頼を出す旨の提案がなされ,同年9月の日本膵臓学会理事会で承認され,出版に向けて協力体制が約束された。
2002年9月,第33回日本膵臓学会大会(仙台市)において「急性膵炎の診療ガイドライン(案)をめぐって」のサテライトシンポジウムが開催された。膵臓学会会員,厚生労働省難治性膵疾患調査研究班構成員より多くのご批判,ご評価をいただき,このガイドラインの出版について腹部救急医学会(急性膵炎の診療ガイドライン作成のためのワーキンググループ)に加え,膵臓学会および厚生労働省難治性膵疾患調査研究班からも委員として参加していただき,検討作成作業に入った。以後,3団体から選出された委員により,出版に向けての検討作業が精力的に続けられた。2003年4月17日,第39回日本腹部救急医学会総会(弘前市)において,3団体から選出された委員により最終的な公開討論会(サテライトシンポジウム)が開催された。

日本腹部救急医学会(高田理事長),日本膵臓学会(松野理事長),厚生労働省特定疾患対策研究事業難治性膵疾患に関する調査研究班(大槻班長)あてに最終案が提出され,本案が3団体共同による出版となることが認められた。

2003年7月

 

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