ガイドライン

(旧版)EBMに基づく 胃潰瘍診療ガイドライン 第2版 −H. pylori二次除菌保険適用対応−

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第2部 胃潰瘍診療ガイドライン―解説―

 
10.医療経済的評価
1)ステートメント

ステートメント グレード エビデンスレベル 保険適用
海外 日本
1 H. pylori 陽性胃潰瘍において,除菌治療は除菌によらない従来治療より効果が高く,医療費は低額となり,費用対効果に優れる。3剤併用療法は2剤併用療法より費用対効果に優れる。したがってH. pylori 陽性胃潰瘍では3剤併用療法による除菌治療を行うことが強く勧められる
A I I
2 H. pylori 診断について以下のストラテジーで行うことが費用対効果が高く,強く勧められる。
1. 近い過去に潰瘍が診断されている場合:単独検査では尿素呼気試験(UBT)を行う
2. 新たに施行した内視鏡で潰瘍が診断され,H. pylori 診断目的以外に生検が不要の場合:迅速ウレアーゼ法(RUT)を行い,陰性の場合にUBTを行う
3. 新たに施行した内視鏡で潰瘍が診断され,H. pylori 診断目的以外に生検が必要な場合:鏡検法を行い,陰性の場合にUBTを行う。鏡検法の性能が十分でない施設では,代わりにRUT,培養法や抗体法を用いる
4. 除菌後診断(除菌判定)について:UBTを行う
A なし I
3 H2受容体拮抗薬(H2RA)であるシメチジンによる維持療法は潰瘍治癒後2年間までは間欠療法と比べて効果が高く,直接医療費はほぼ同額で,間接医療費はより低額となり,費用対効果に優れる。わが国における臨床試験の成績,医療費を考慮すると,わが国においても海外における当該研究と同様の結果が得られる可能性が高いと考えられ,現時点においてわが国では除菌治療の適応がない場合および除菌不成功例において急性期治療後の一定期間,H2RAによる維持療法を行うことが勧められる
B I VI
4 費用対効果の観点から,消化管合併症の高リスク群(消化管合併症の既往を持つ,または高齢)の関節リウマチ患者においてNSAID継続投与が必要な場合に,ミソプロストールを予防投与する
C2 I IV 不可
5 費用対効果の観点から,NSAID胃潰瘍の初期治療についてミソプロストール,塩酸ラニチジンよりオメプラゾールを投与する
C2 I なし
6 費用対効果の観点から,NSAID継続投与が必要な消化管合併症の高リスク群(消化管合併症の既往歴を持つ,または高齢)の患者にCOX-2選択的阻害薬を投与する
C2 I なし
46 は,わが国においては根拠として十分な臨床試験の成績が存在せず,現時点で行うよう勧められない。検討が必要である。

 

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