ガイドライン

(旧版)EBMに基づく 胃潰瘍診療ガイドライン 第2版 −H. pylori二次除菌保険適用対応−

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第2部 胃潰瘍診療ガイドライン―解説―

 
9.メタアナリシス
2)文献検索および文献の選択

文献検索はMEDLINEでstomach ulcer(mesh)AND meta-analysis(pt)の検索式で行った。その結果,15編の文献が得られたが,そのうち,胃癌に関する研究の2編,胃酸分泌抑制に関する研究の2編,外科手術後のH. pylori 陽性率に関する研究の1編,十二指腸潰瘍のみに関する研究の1編はテーマが異なるので除外した。さらに,上記検索式にOR gastric ulcerを追加した検索式を用いた結果,3編の文献があったが,内2編はメタアナリシスの結果を含んでおらず,除外した。残り1編は後述するCochrane Library のRostomらのメタアナリシスと同じ内容のものであった。最終的に,2002年1月の時点で9編の文献を採用した。
しかしながら,NSAID投与患者における胃潰瘍発生の抑制に関する3編の論文は同一著者によるもので,内容に重複があり,解析を行った時期が異なるものであった。それゆえ,最新の論文を1つだけ採用することにした。これら以外に,Cochrane Libraryでstomach ulcerで検索した結果からも取り上げた。
今回,stomach ulcer(mh)AND human(mh)AND(meta-analysis [pt] OR cochrane database syst rev [ta])AND 2000:2006(dp)でMEDLINE検索を行った。医学中央雑誌(医中誌)は,胃潰瘍,メタアナリシスを組み合わせ検索した。日本語または英語の論文,人が対象,胃潰瘍の治癒,再発,または発症予防をアウトカムとしたランダム化比較試験(RCT)のメタアナリシスを採用した。消化性潰瘍が対象となっている,あるいは十二指腸潰瘍も対象に含まれている場合,胃潰瘍患者群の解析結果が独立して示されているものは採用した。また,同じ内容の論文が2つ発表されている場合,最近のものを採用した。MEDLINE検索の結果,採用基準に合致する文献が,12編みつかった。うち2編は同じ著者の論文で,異なる時期に発表されていたが,内容はほぼ同じであったので最終的に11編となる。なお,医中誌では該当する論文はみつからなかった。
これらの11編の論文以外に,胃潰瘍のリスクファクターとしてH. pylori 感染とNSAIDの関与を解析したメタアナリシス1)は,ステートメント作成には用いなかったが,とりあげることにした。
なお,肝硬変患者におけるH. pylori 感染の胃潰瘍発症への関与を解析したメタアナリシス2)H. pylori の薬剤耐性を調査したメタアナリシス3)があったが,胃潰瘍患者を対象としたRCTのメタアナリシスではないため,採用しなかった。十二指腸潰瘍と胃潰瘍の除菌率を比較した論文4)も,同じく採用しなかった。
したがって,今回のガイドライン作成時に,最終的に採用した論文数は次のごとくである。ステートメント作成はこれらの論文のうち,結論が堅牢なものだけに基づいて行った。
1 出血性胃潰瘍に対する内視鏡的治療:2編
2 出血性胃潰瘍に対する薬物療法:3編
3 NSAID投与患者における胃潰瘍発生の抑制:4編
4 H. pylori 除菌の効果:4編
5 PPIとH2RAその他の比較:4編
6 潰瘍穿孔例における腹腔鏡下手術:2編
7 その他:2編

 

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