ガイドライン

(旧版)EBMに基づく 胃潰瘍診療ガイドライン 第2版 −H. pylori二次除菌保険適用対応−

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第2部 胃潰瘍診療ガイドライン―解説―

 
1.フローチャート概説とグレードレベルの解説
2)推奨グレードとエビデンスレベルの解説

次項以降での診療勧告では,勧告の強さを日本医療機能評価機構による推奨グレード案に基づいてAからEまでに分類することとした(表1)。特に従来推奨グレードの表現が曖昧であると批判を受けることが多かったグレードC(行うよう勧められるだけの根拠がない)については,Minds版(Medical information network distribution system)「診療ガイドライン作成の手引き」に従って,十分な科学的根拠がないが勧めることを考慮してもよい(C1)のか,十分な科学的根拠がないので推奨できない(C2)のかに細分することによって明確化を図ることとした。これらの勧告は表2に示すエビデンスレベルも併記して,その科学的根拠の強さも示している。

表1 勧告の強さのグレード分類(Minds推奨グレード案)
レベル 内容
A 行うよう強く勧められる
B 行うよう勧められる
C1 十分な科学的根拠がないが,行うことを考慮してもよい
C2 十分な科学的根拠がないので,推奨ができない
D 行わないよう勧められる
E 行わないよう強く勧められる
Mindsによる推奨(Recommendation)の強さの決め方としては,表2のエビデンスレベル,エビデンスの数と結論のバラツキ,臨床的有効性の大きさ,適応性(医師の能力,地域性,医療資源,保険制度),害やコストなどに関するエビデンスを総合的に勘案して決めるとされている。胃潰瘍診療ガイドラインでは,推奨度をこれに準じて行っているが,保険制度(保険適用の有無)については推奨度を決定する際には考慮に入れないこととした。ただし,Recommendationとともに,それが保険適用があるのかどうかについては明記することとした。

表2 診療ガイドライン作成におけるエビデンスレベルの分類
      (Minds版 診療ガイドライン作成の手引き案)
レベル 内容
I システマティックレビュー/メタアナリシス
II 1つ以上のランダム化比較試験
III 非ランダム化比較試験
IVa 分析疫学的研究(コホート研究)
IVb 分析疫学的研究(症例対照研究,横断研究)
V 記述的研究(症例報告やケースシリーズ)
VI 患者データに基づかない,専門委員会や専門家個人の意見
エビデンスレベルの高いものから順に示してある。なお,複数のレベルの異なるエビデンスがある場合には,エビデンスの質の高いものを採用する。人種差,環境因子などの違いによってエビデンスが影響を受ける可能性があるため,日本人のエビデンスと外国で得られたエビデンスなのかを区別して記載する。

 

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