ガイドライン

(旧版)EBMに基づく 胃潰瘍診療ガイドライン 第2版 −H. pylori二次除菌保険適用対応−

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第1部 胃潰瘍の基礎知識

 
7.治療の医療経済的評価
1)胃潰瘍治療における医療経済的評価の重要性

近年の医療費の高騰は世界共通の問題であり,わが国も例外ではない。このような状況のなか,一定の資源(医療費)のもとでより良い医療を行う,すなわち医療の効率に配慮することが重要になりつつある。胃潰瘍の診療は,その頻度の高さに鑑みて医療費全体に及ぼす影響は大きく,その費用対効果(経済効率)に関する配慮は不可欠である。従来,国家的視点による医療費研究では,消化性潰瘍の総医療費のうち,直接費用が間接費用に比べて圧倒的に多いとされていたが,近年,雇用者および被雇用者の立場から,勤務状態や直接医療費を一元的に管理可能なデータベースの分析研究が行われ,消化性潰瘍の総医療費のうち,直接医療費より労働損失等の間接費用の割合がむしろ大きい(43%対57%)という報告がなされており63),潰瘍診療の社会全体に及ぼす影響は,直接費用を中心に考えられてきた以前の概念よりさらに甚大であることが示唆されている。

 

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